TOEIC Part 6で得点を伸ばす文挿入問題の攻略法と頻出パターン
TOEIC Part 6で「文を入れる場所はどこですか」と聞かれる問題は、読めているつもりでも失点しやすい設問です。単語の意味だけでは決まりません。空欄の前後、段落の流れ、指示語、接続表現まで見ないと、もっとも自然な位置を選べないからです。
Part 6は短い文章の中に空欄があり、語句選択、文法、文脈理解がまとめて問われます。その中でも文挿入問題は、文章全体のつながりを読む力が点数に直結します。
この記事では、TOEIC Part 6の文挿入問題に絞って、解き方の手順、頻出パターン、間違えやすい選択肢の見抜き方を整理します。すでにPart 6の基本を学んだ人でも、ここだけを集中的に鍛えると得点が伸びやすくなります。

文挿入問題は全文を読まなくても当てられるわけではない
文挿入問題では、次のような形式がよく出ます。
Where would the sentence best fit?
指定された1文を、本文中の位置A、B、C、Dのどこに入れるかを選ぶ問題です。
この設問でやってはいけないのは、挿入文だけを読んで「なんとなくここ」と決めることです。挿入文は、単独では自然に見えることが多く、どの位置にも入りそうに見えます。
たとえば、次の文を考えてみます。
This change will begin next Monday.
この文だけを見ると、「変更が来週月曜日に始まる」と言っているだけです。どこに入るかは、前に何の変更が説明されているか、後ろにその変更の影響が続くかによって決まります。
文挿入問題では、次の3つを確認します。
挿入文の前に必要な情報があるか
挿入文の後ろに自然につながる内容があるか
段落の役割を壊していないか
特に大事なのは、挿入文の前後1文です。Part 6は時間との勝負ですが、文挿入問題だけは前後を丁寧に見る価値があります。
解く順番を固定すると迷いが減る
文挿入問題は、感覚で解くと時間を使いすぎます。毎回同じ手順で処理すると、判断が速くなります。
挿入文の役割を最初に決める
まず、挿入文が何をしている文なのかを考えます。
主な役割は次のどれかです。
挿入文の役割 | 見るべきポイント |
追加情報 | 前の文に情報を足している |
理由や結果 | because, so, as a result などの流れがある |
例 | for example, such as などが手がかりになる |
逆接 | but, yet, although などで前文と対比する |
時間の流れ | after, before, later, beginning などがある |
指示語の受け | this, it, they, these などが前を指す |
たとえば、挿入文に `This decision` があれば、その前には何らかの「決定」が出ていないと不自然です。`As a result` があれば、その前には原因が必要です。
この作業を最初に行うと、候補位置を一気に絞れます。
空欄の前だけでなく後ろも読む
文挿入問題でよくある失敗は、前の文だけ見て決めることです。前とつながっていても、後ろの文と合わない位置があります。
次のような流れならどうでしょう。
新しい配送方法を導入する
この変更は来週月曜日から始まる
そのため、注文の締切時間も変わる
この場合、挿入文が「この変更は来週月曜日から始まる」なら、配送方法の説明の後、締切時間の説明の前に入るのが自然です。
後ろの文に `Therefore` や `For this reason` がある場合、挿入文がその理由を作っている可能性もあります。後ろが挿入文を受けているケースを見落とさないようにしましょう。
最後に段落全体の役割と照らす
Part 6の文章は、メール、通知、広告、案内文などが中心です。段落ごとに役割があります。
たとえばメールなら、次のような流れが多くなります。
1段落目
用件や背景を伝える
2段落目
詳細や変更点を説明する
3段落目
依頼、期限、問い合わせ先を示す
挿入文が「質問があれば連絡してください」という内容なら、本文の最後に近い位置が自然です。逆に、冒頭に入れると話が早すぎます。
文の意味が合うだけでは不十分です。段落の役割に合っているかまで見ると、正解に近づきます。

頻出パターンを知ると正解の根拠が見える
文挿入問題には、よく使われる仕掛けがあります。頻出パターンを知っておくと、選択肢を見たときに「ここに入る理由」を説明できるようになります。
指示語が前の内容を受ける
もっとも多い手がかりの一つが指示語です。
よく出る語は次の通りです。
this
that
these
those
it
they
such
the new policy
this change
the offer
たとえば、挿入文が次のような文だとします。
This option is available only to online customers.
この文を入れるには、前に「ある選択肢」が説明されている必要があります。前文に配送方法、支払い方法、予約方法などの選択肢が出ていれば候補になります。
反対に、前に何も紹介されていない位置に `This option` を入れると、読者は「どの選択肢のことか」と迷います。英語では、指示語は前に出た情報を受けることが多いので、受ける対象を必ず探しましょう。
同じ語の言い換えでつながる
Part 6では、同じ単語の繰り返しを避けるため、言い換えがよく使われます。
たとえば、本文に `training session` があり、挿入文に `the workshop` が出る場合、同じイベントを指している可能性があります。
よくある言い換えは次のようなものです。
本文の語 | 挿入文での言い換え |
customers | clients, shoppers, members |
employees | staff, team members |
event | seminar, workshop, session |
product | item, model, device |
policy | rule, guideline, procedure |
完全に同じ語がなくても、意味の近い語が前後にあればつながりを作れます。Part 6で得点を伸ばすには、単語暗記だけでなく、言い換えを見つける読み方が必要です。
時間の順番がヒントになる
文挿入問題では、時間表現も強い手がかりです。
よく出る表現は次の通りです。
beginning next week
after the event
before submitting the form
later that day
until Friday
starting in June
once the payment is confirmed
たとえば、挿入文に `After the repair is complete` とあれば、その前には修理の話が必要です。その後には、修理後に起きることが続くはずです。
時間の流れが崩れる位置は、意味がそれらしくても不正解になりやすいです。Part 6の文章は短い分、時間表現のずれが目立ちます。
一般論から具体例へ進む
TOEICのビジネス文書では、一般的な説明の後に具体例が続く流れがよくあります。
たとえば、次の順番です。
参加者はいくつかのサービスを利用できる
その中には無料シャトルと昼食券が含まれる
受付でチケットを受け取れる
挿入文が「その中には無料シャトルと昼食券が含まれる」なら、一般的な説明の直後に入ります。いきなり受付の話の後に入れると、話が戻ってしまいます。
`These include` や `For example` がある文は、前の文に広い内容があるかを確認しましょう。
依頼や締切は後半に置かれやすい
メールや案内文では、最後に行動を促す文が来ることが多いです。
たとえば、次のような文です。
Please submit the form by Friday.
Contact us if you need more information.
We recommend booking your seat in advance.
Be sure to bring your confirmation number.
これらは、詳細説明の後に置かれると自然です。まだ何の説明もない段階で依頼を入れると、読み手が何をすればよいのか分かりにくくなります。
もちろん例外はありますが、依頼、締切、連絡先は文章の後半という意識を持つと、候補を絞りやすくなります。

よくある誤答は意味だけで選んだときに起きる
文挿入問題の選択肢は、どれもそこそこ自然に見えるように作られています。だからこそ、誤答のパターンを知っておくと失点を減らせます。
前文とは合うが後文と合わない
前の文だけを見ると自然でも、後ろの文が急に飛ぶことがあります。
たとえば、前文で「新しい会員制度」を説明していて、挿入文が「この制度は来月始まります」なら前とは合います。ところが、後文が「このため、建物の入り口は閉鎖されます」なら話がつながりません。
この場合、後文の `this` や `therefore` が何を受けているかを考える必要があります。
解答前に、候補位置に挿入文を入れて、3文を声に出すように頭の中で読んでください。
前文
挿入文
後文
この3文が自然なら、正解の可能性が高まります。
指示語の対象が遠すぎる
`this change` や `these items` の対象が、何文も前にある位置は注意が必要です。もちろん離れていても成立することはありますが、Part 6では短い文章の中で明確なつながりを問うことが多いです。
指示語の対象は、直前の文か同じ段落内の近い位置にあることが一般的です。対象が遠すぎると、読み手に負担がかかります。
トピックが急に変わる
選択肢の位置によっては、段落のテーマが途中で変わってしまいます。
たとえば、段落がずっと「イベントの登録方法」を説明しているのに、挿入文が「会場の改装工事」に関する内容なら、そこに入れるには橋渡しが必要です。橋渡しがないまま急に別テーマが出る位置は避けます。
文挿入問題では、「単語が似ている」だけで選ぶと危険です。テーマが続いているかを見ましょう。
本番で使える時間配分と判断ルール
Part 6は、Part 7に時間を残すためにも素早く解く必要があります。文挿入問題に時間をかけすぎると、後半で苦しくなります。
目安として、文挿入問題では次の流れを意識します。
挿入文を読む
指示語、接続語、時間表現を丸で囲むつもりで確認する
候補位置の前後1文を読む
3文の流れで一番自然な位置を選ぶ
迷ったら段落の役割で決める
迷ったときは、次の順番で根拠を強く見ます。
優先順位 | 判断材料 |
1 | 指示語の対象が明確か |
2 | 接続表現の前後関係が正しいか |
3 | 時間の順番が自然か |
4 | 段落の役割に合うか |
5 | 語彙の言い換えがあるか |
ここで大切なのは、正解を「雰囲気」で選ばないことです。毎回、少なくとも一つは根拠を持って選びます。
自信を持って選べる根拠は、たとえば次のようなものです。
`this policy` が直前の新ルールを指している
`For this reason` の前に理由が説明されている
`After the workshop` の前にワークショップの説明がある
依頼文が詳細説明の後に来ている
具体例が一般説明の直後にある
根拠を言語化できるようになると、復習の質も上がります。
練習では正解よりも根拠の確認を優先する
文挿入問題の練習で、答え合わせだけして終わるのはもったいないです。正解した問題こそ、「なぜそこに入るのか」を確認しましょう。
おすすめの復習手順はシンプルです。
挿入文の役割を書く
正解位置の前文とのつながりを書く
正解位置の後文とのつながりを書く
他の位置が不自然な理由を一つずつ確認する
たとえば、ノートには次のように短く残します。
挿入文は具体例。前文の「several benefits」を受けている。後文の「these benefits」が挿入文の内容をまとめている。
これだけでも十分です。長い和訳を書く必要はありません。
文挿入問題は、英文をすべて日本語に直す力よりも、文と文の関係を見抜く力が問われます。復習でも、その関係に注目してください。

文挿入問題に強くなる毎日の短い練習
長時間の勉強を毎日続けるのは難しくても、文挿入問題だけなら短時間で練習できます。おすすめは、1日10分の確認です。
1問を深く見る日を作る
毎日たくさん解くより、1問を丁寧に見る日を作ると効果があります。
やることは次の3つです。
挿入文のキーワードを確認する
正解位置の前後3文を読む
不正解位置がだめな理由を言う
特に、不正解の理由を言えるようになると、本番で迷いにくくなります。
接続語だけを集めて覚える
文挿入問題で差がつくのは、接続語の理解です。単語帳のように意味だけ覚えるのではなく、前後にどんな内容が来るかまで覚えます。
たとえば、`as a result` は結果を導くので、前には原因が必要です。`for example` は具体例を出すので、前には広い説明が必要です。`instead` は代替案を示すので、前には別の選択肢や却下された案があるはずです。
接続語は、意味よりも前後の役割で覚えると使いやすくなります。
本文の流れを日本語で一言にする
Part 6の英文を読んだ後、段落ごとに一言でまとめる練習も役立ちます。
たとえば、次のようにまとめます。
1段落目
会議の日程変更を知らせる
2段落目
新しい場所と開始時刻を説明する
3段落目
出欠連絡を依頼する
この練習を続けると、挿入文がどの段落に合うか判断しやすくなります。
文挿入問題は正解の理由を探す設問です
TOEIC Part 6の文挿入問題は、難しく見えても、見ているポイントはかなり決まっています。指示語、接続語、時間表現、言い換え、段落の役割。この5つを順番に確認すれば、感覚に頼らず解ける問題が増えます。
本番では、挿入文を読んだらすぐに答えを探すのではなく、まず役割を決めてください。次に、候補位置の前後を読みます。最後に、段落の流れに合うかを確認します。
文挿入問題で得点を伸ばす近道は、たくさん訳すことではありません。文と文のつながりを見て、「ここに入る理由」を短く説明できるようにすることです。次にPart 6を解くときは、正解番号だけでなく、その根拠を一言で残してみてください。失点の原因が見え、復習が本番の得点につながります。





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